ワンカットって美しくてワクワクする。
シンクロ率が上がりまくる臨場感。
あまりにも重い責務を果たそうと駆け抜けた2名の兵士。
私も同じように駆けていた。
しかし、やっとの思いで届けた命がけの伝令は、数百数千の作戦の中のただひとつでしかなく、彼(と私)が息をつく頃にはもう、次の指令が1600人を動かし始める。
彼らがここまでしたんだから、どうかこの1600人の命を大切にして!なんて通じるわけない。
私はおこがましくも、戦争に勝利を求めるいち国民の気持ちを感じたような気になった。
国のために勝つんじゃない。相手が憎いんじゃない。
これほどの思いをしたんだから、こんなに失ったんだから。だから勝たなきゃ意味がない。
結果があれば、少しはこの犠牲も報われるように思えるから。
これまで戦争の話を聞くたびに「そこまでして勝たなくてもいい、勝ちにこだわらなくていい」なんて思っていたけれど、この映画で、自分はあまりにも想像力が欠けていたことにようやく気付いた。
2020年9本目