Inagaquilala

列車旅行のすすめのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

列車旅行のすすめ(2019年製作の映画)
4.0
東京国際映画祭で観賞。スペインでカルト的人気を誇った奇想天外な小説の映画化で、とにかくストーリーを説明するのは至難の作品だ。列車で乗り合わせた男から、不思議な話を聞かされる女性編集者。その話は、とても悪趣味なのだが、先を聞かずにはいられない。作品は3つの物語から構成されるのだが、語り手が主人公となったり、その主人公が次の語り手に受け継いだり、そして、最後は女性編集者自身の物語へと帰っていく。入れ子構造とでもいうのだろうが、その語り口は自由奔放、先の読めない展開だ。しかし、なぜかその気まぐれに付き合ってしまう不思議な魅力を持った作品だ。何回も観て、確認したい作品かもしれない。基になった小説を、なるべく忠実に再現したのだというが、氏の原作も読んでみたい。列車が走るシーンやゴミの山など、斬新な映像が散りばめられ、ビジュアル的にもなかなか面白い作品だ。
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