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ペイシェント・セブンのRAMPOのレビュー・感想・評価

ペイシェント・セブン(2016年製作の映画)
3.6
視聴者も少なく、評価も今一つな様ですが、個人的には、クオリティはかなり高いものを感じました。

物語は、重度の精神疾患と診断された凶悪犯罪者が収監される精神科病院に著名な作家が訪れ、複数名の患者と個別に面談するって体のオムニバスです。
個々の患者から聞き出す事件時の状況が再現シーンとなっていて、オムニバスストーリーを構成しているのですが、それらのお話が、魔物だったり連続殺人鬼だったりゾンビだったり悪魔憑きだったりと、荒唐無稽なものばかりな割に、個々に結構しっかりと描かれていて、観ていて飽きませんでした。
(ホラー映画のジャンルを網羅ってあたりに、ホラーに対するリスペクトも感じます。)

あと、とにかく個々のストーリーに出てくる女優さんが子役も含めて一様に美人ばかり。よくこんな綺麗どころを集めたなと感心しました。

なお、ペイシェント・セブンなのに6人目(6話目)までで結構な時間をかけていて、かつ、作家と患者の面談はそれで終わりだったので、さては…と思ったら、その通りのオチだったのはちょっと安易に過ぎる感がありました。
あと、オムニバスストーリーの個々の関連性が何も無いってのも、もう少し捻っても良かったのでは?という気がしました。

あと最後まで観れば判りますが、え?これって作家が患者との面談を通じて個々の患者に起こった出来事(患者の起こした事件)の真相を明らかにしていく話じゃないの?それどころか、オチがそれかよ!ってガッカリする人も多いかもしれませんね。
確かに、この手のオチは反則みたいなもので、今まで見せられたの何なんだよ!って事になるので、残念感を増す作品も多いのですが、本作に関しては、個々のシーンの画的な完成度が高く、個人的にはあまり減点対象にはなりませんでした。

まぁオムニバスはショートストーリーの寄せ集めなので、一つの話をじっくり描いた作品に比べて、観賞後の印象や評価が薄くなってしまうのは仕方ないですね。
残念なのはその程度で、個人的にはとても面白く楽しめました。

マイケル・アイアンサイド、お歳を召しても味のある良い役者さんです。
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