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チェリー・レイン7番地のhonobonのレビュー・感想・評価

チェリー・レイン7番地(2019年製作の映画)
4.6
東京国際映画祭にて、ヨン・ファン監督!のQ&Aand広東語(?)翻訳付き。
「どんなことがあっても私は香港を去らない。」QAのこの一言にやられた。

アニメーション作品でありながらヴェネチアで脚本賞を獲った今作。映像は'逆スパイダーバース'。3Dを2Dに起こしたことで顔の角度による輪郭や服の皺の動きなどの細かい動きを表現している。コミックのようなシャープな人物画とモダンな日常の背景、愛する映画内の背景も独特な世界はクセになった。やっぱり今年の海外発アニメーション映画は概念を少しずつ変わっていくのか。

そして違和感を覚えるだろう'逆マッド・マックス怒りのデスロード'でもある。
しかし、スローな動きで作られているのはきっと監督の濃厚で美しく光る黄金時代の走馬灯なんだろう。
そして今、同じような境遇の香港でキャストも過去に仕事をした仲間を始めとしたベストフレンズたち。フルーツ・チャンもいるよ!

ストーリーは2012年から書き溜めている短編から作られているとか。1967年の香港の風景、映画、反英デモ。様々な瞬間を切り取り、その中で生まれる淡く切ない恋物語。ナレーションがキーなのか。言われてみたら。
その短編をまとめた本、読んでみたい。日本語翻訳、されるのかな…。

香港での上映はキャンセルをして、世界の映画祭を周り、見たければ上映するよ。のスタンスらしい。なんともかっこいい。その時は、最後のセリフがどこかで生まれ、笑い話になる世の中になることを。
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