メザシのユージ

おもかげのメザシのユージのレビュー・感想・評価

おもかげ(2019年製作の映画)
3.0
元夫と旅行中の息子から電話を受けたエレナ(マルタ・ニエト)は、息子が一人で海辺に取り残されていることを知るが、それがわが子の声を聞いた最後の会話となる。10年後、息子が失踪した海辺のレストランで働くエレナは、息子によく似たフランス人の少年ジャン(ジュール・ポリエ)と出会う。それ以来ジャンは彼女の元を度々訪れるようになるが、彼らの関係は周囲に混乱を巻き起こしていく。
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スペインにいる主人公のエレナの、6歳になる一人息子がフランスのビーチで一人行方不明になるところから物語は始まる。エレナとビーチに一人で取り残された息子との電話での会話が緊張感があって本当に怖かった。

10年後、39歳になったエレナは息子が行方不明になったビーチの近くで働くようになりそこで、息子のおもかげがある16歳の少年ジャンと出会う。

映画を観てる観客は、子供をなくしたエレナの気持ちと、ジャンの気持ちと二人の心情を察しながら映画を観ていくことになる。

ジャンとしては、美しくスタイルも良いエレナは「歳上の憧れの人」。コミュニケーションをとるうちに次第に恋する気持ちになっていく。

それに対してエレナの気持ちはどうなのか?
最初は息子に似てると興味をもったジャンだったが、そこから彼のことを異性として好きになっていったのか?それとも、ジャンに失った息子の成長してる姿をただ重ねているのか?

クライマックス、エレナの電話で会話は冒頭のシーンで自分が成しえなかったことを取り戻そうとしているかのようだった。