このレビューはネタバレを含みます
冒頭の息子との会話シーンが生々しくて、本当に辛い。助けられなかったという無力感に苛まれて、そのことで一生苦しんで過去に囚われてしまうのも当然。
原題は「MADRE」=「母」
私が今まで観たスペイン映画では、母親の愛情が時に過剰と思えるほど強くて情熱的だった。
スペイン人の主人公エレナがフランスに来て、子供を喪った頭のおかしい女性呼ばわりされているけど、そういうお国柄の違いも多少あるのかなと思った。
最後、息子におもかげが似た少年が行方不明になるというシーンが、過去の再現になっている。
主人公は10年間に何度もこうしていればああしていればと悔やんだだろうが、今回は主人公が少年を探しに行ってちゃんと会えた、というところが立ち直っていく転換点になっている。