このレビューはネタバレを含みます
本編モノクロ、章分けは少年が関わる人々の名前。
時代はユダヤ人が迫害されている第二次世界大戦時。
でもどの国としてはっきり描かれることはなく、少年が異端の生き物として表現するための世界観が徹底されてた。言語も人工言語を使っているんだそう。
少年が関わる人間、動物、全てが壊れていくような、そして彼自身も壊れて変わっていく様がどんどん見えてそこは引き込まれた。
退場者続出と聞いていたが、グロテスクな表現や精神的に辛くなるからではなく
生きる上での残酷な世界、戦争に生きる壮絶さ、差別や迫害をひたすら見せ続けられることに耐えられなかったんだろうと思った。
名前を書いた最後のバス、隣に座る少女が美しすぎて、そこで唯一救われた気がした。