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異端の鳥のchiyoのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.0
2021/6/15
周りの人たちからの悪意を一身に受ける少年が、あまりに不憫で可哀想の一言では片付けられない。そして、チラシでも使われたカラスとのシーンを始め、残酷な描写が多くて直視するのがなかなかにしんどい。が、全編を通してモノクロの画がとても綺麗で、不思議と目を離せないから困ってしまう。そんな世界で、少年が様々な人たちと出会い、様々な場所を放浪していく。初めのうちは動物の死に涙を流していた少年が、人を殺めることも厭わなくなってしまったのが悲しく切ない。ただ、彼がそんな風に変わってしまったのは至極当然でもある。でないと、あんなに過酷な状況を生きていけない。最後の最後に安堵を与えてくれるけれど、本当に大変なのは感情を取り戻すこれからかもしれない。
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