kazマックスグローバーレッド

異端の鳥のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.7
疎開先の叔母の家が全焼、一人ぼっちになったユダヤ人少年が家路を目指し、数々の差別や迫害を受け続けながら生き抜いていく受難劇。放浪中に出会う人々の名前が物語のチャプターになっている。

ロシアのコサックから村を襲われた村人は自分より強い者には逆らえないから弱いユダヤ人の少年を虐げる。少年の心が徐々に蝕まれていき、暴力の連鎖が恐ろしい。

東欧制作の映画ながら共演がステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテルなど渋いキャスティング。ウド・キアはウド・キアらしいヤバい役で、バリー・ペッパーは『プライベート・ライアン』のスナイパーを彷彿させる役どころ。

ロマン・ポランスキー監督『戦場のピアニスト』とミヒャエル・ハネケ監督『白いリボン』を足したような重い内容ながら見応えある作品でした。