記録。
きわめて不道徳
クリステン・スチュワートがダイアナ元妃を演じる『スペンサー ダイアナの決意』(今年日本公開)のメガホンを取ったチリの名匠パプロ・ララインによる一品。
好きかどうかは点数を見てお察しなのですが、なんともレビューしづらい不思議な映画。
ザックリ言うと、
ヒロインが火炎放射器で物を燃やして、男女問わずヤって、レゲトンのリズムに乗ってダサいダンスを踊る映画です。
苦手なアート系作品の臭いを嗅ぎ取った時点でゲンナリも甚だしいのですが、一応筋の通ったストーリーとキッチリした落とし所はあります。
ただ、エピソードの点と点をきめ細やかに紡いでいくような流麗さは無く、良くも悪くもヒロインに魅力を感じ取れるかに左右される力業みたいな印象。
では、ヒロインであるエマに魅力を感じたのか。答えは全力でNo。
金髪オールバックに衣装もラフなジャージ姿が多く、ジェンダーレスな演出を施されてはいますが非常に美しい女性です。
演じたのはチリの新星女優らしいマリアーナ・ディ・ジローラモ。あのパンツェッタ・ジローラモ氏とはどうやら無関係。
あちらのジローラモが「ちょい悪」で一世を風靡した一方でこちらのジローラモは「ちょい」どころではありません。そもそも放火してますしね。
いや、放火なんかまだイイんですよ。良くないですけど。
もっと良くないのは、あらすじにもある「思惑」。これラストでクッキリハッキリするんですが物凄く不快なんですよね。気持ち悪い。
「愛の罠」とか言っちゃってますけど、ヒトコワ系のホラーに片足突っ込んだ作品だと個人的には思います。