けーすけ

みをつくし料理帖のけーすけのレビュー・感想・評価

みをつくし料理帖(2020年製作の映画)
3.3
江戸時代の半ば頃、蕎麦処「つる家」で働く澪(松本穂香)と彼女を取りまく物語。



小説やドラマも全然知らず、本作で初めて作品に触れました。


澪はもともとは上方(大坂)で生まれ育ったが、8歳の頃の大水により両親を失い、縁あってつる家で女料理人として勤める事に。
料理の腕と確かな舌は持っているものの、西の味付けで育った澪の作る料理は江戸の人には合わず四苦八苦…。

つる家には常連が何人もおり、小松原(窪塚洋介)はいつも料理に対して手厳しい感想を述べたり、戯作者の清右衛門(藤井隆)は口も顔も悪いがナンダカンダでつる家のファン。他、多くの人に支えられているお店。


ストーリーは澪が奮闘して江戸の人にもウケる美味しそうな料理を作るお話と、大坂での大水で行方知れずとなった幼馴染みの野江(奈緒)が吉原にて幻の花魁として生きていた事を知り、再会を願うが、、、といった二つの軸で進みます。


料理がメインなので、もり蕎麦や茶碗蒸し、牡蠣焼きなどがどれも美味しそうで地味に飯テロな部分も。原作者の方も時代考証はしているはずなので、1800年代の江戸時代にこんな料理があったのかと新鮮な驚き。ガスも水道も無い頃に凄いなあ。



ただ、展開は驚くような劇的な事もなく、予想の範疇で平坦に淡々と進むのでかなりあっさり味。おそらく原作小説の色んなエピソードを交えたんだろうなと感じしてしまい、料理で例えるなら「おかずめっちゃ多いのに、食べてる途中で全部下げられてしまった(涙)」ってところでしょうか。

終盤でほんの少し盛り返してくるかと思いきや、回収されない&不完全燃焼なエピソードがパラパラとあり「130分もあるのに…」とちょっと物足りないのが残念でしたね。


澪を演じた松本穂香の下がり眉がキュートだったのと、野江(奈緒)との月日を経ても変わらない友情がステキでした。



あと劇中全く触れられてなくてめっちゃ気になったのが、とあるシーンで軒先に生きた亀が紐で吊るされているシーン。
気づいた人は絶対に気になると思います。

調べたところ「放生会(ほうじょうえ)」という仏教的な儀式のものらしい。鑑賞後に気になった方は是非チェックを。
https://cleanup.jp/life/edo/62.shtml



江戸時代、ああ、行けるものなら2泊3日くらいで行ってみたい。


2021/05/31(月) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-048]
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