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ハリウッド 1969 シャロン・テートの亡霊のGreenTのレビュー・感想・評価

1.0
この映画は、実際に起こったシャロン・テイトの殺人事件をホラー・ミステリーとして描いていて、とっても評判悪いです。

実は殺人事件の1年前に、シャロンはインタビューで「知らない男の人が家にいて、ジェイ(元婚約者で友達)と自分が縛られて、喉を切り裂かれる悪夢を観る」と本当に言ってたらしく、この映画はそれにインスパイアされて作ったらしいです。

まず、出演者が最悪!って思いました。シャロンを演じるヒラリー・ダフが、デブでブス!私のような「普通の人」を描く映画だったら「スタイルのいいモデルのような人より、リアリティがあっていい」ってことになるのでしょうが、シャロン・テイトのゴージャスさが全く出てなくて、イモ臭い。

彼女の容姿だけの問題じゃなくて、髪の毛はバサバサ、衣装もくすんだ汚い色、彼女の家も貧乏臭くて、ハリウッド・ヒルの豪邸とはとても思えない。

シャロンの写真をググって見ると、60年代だからこんなもんで、逆に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の方が美化し過ぎなのかもしれないけど、あれは「タランティーノの持つ、シャロン・テイトのイメージ」を再現しているけれども、この映画は「製作者はこのキャラをどう描きたいのか?」が全く反映されていないというか、描きたいことなんてないの?ただショッキングな事件だったから映画化しただけ?って感じがする。

シャロン・テイトは「殺されるかもしれない」という悪夢に取り憑かれており、ロマン・ポランスキーがロンドンから帰って来ないのは浮気をしているからで、殺人事件が起こったとき一緒にいたアビゲイルとウォチェックというカップルは、友達なんだけど、家のことを勝手に変えたり、シャロンが悪夢を見ていることを「妊娠のせいでイライラしているんじゃないの?」と取り合ってくれなかったりして、シャロンは孤独で不安に怯える人、という描かれ方をしているのだけど、これもキャラクターの深みを出すというより、サイコ・ホラー映画にしたいだけのギミックという感じがした。

ユーチューブで映画レビューをやっている人が言ってたんだけど、脚本・監督をやったDaniel Farrandsって人はホラー映画のドキュメンタリーをたくさん作っていて有名な人らしく、私も iMDb で調べてみたら、なななんと私のNo.1 トラウマ映画『隣の家の少女』の脚本家の一人だった!!

それはどーでもいいんだけど、Daniel Farrandsは、この映画の前に監督・脚本したのは『The Amityville Murders』というやはり実際に起こった殺人事件の映画化、そして2020年に監督するのはなんとあの悪名高い、OJシンプソン事件で殺害されたニコル・ブラウン・シンプソンの映画。

ユーチューバーの人は、「人の不幸で映画撮るな!自分でストーリー作れ!」ってすごい怒ってて、私も「そうだそうだ!」って思った。

脚本も最悪だし、ホラー映画としても「B級ホラー」にさえなってなくて、ゴミみたいな映画なんだけど、それでも観たい人はいるかもしれないから、クライマックスはコメント欄に隠します。
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