べに

一人っ子の国のべにのネタバレレビュー・内容・結末

一人っ子の国(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラジオ番組で動画配信サービスのお薦め作品として挙げられていたので観てみました。

「一人っ子政策」政策も実行の仕方も信じ難いものだと思うけど、もっと私が衝撃だったのは、2015年にその政策が廃止されたら、廃止されただけでなく、「子供は二人っこが幸せ」「弟妹いた方がいい、老後も安心」みたいなスローガンが今まの「産むな、堕ろせ、減らせ」みたいなスローガンと同じように書かれてるところがあるということ。
もちろん都市ではそういったことは無さそうだけど、田舎というか貧困地域。
超高齢化社会になり、老人を支える若手がいなくなることは、一人っ子政策を法律として制定するときにも分かってたよね?!
ということで衝撃というか憤り。

それと、当時中央政府からの指示で村人に避妊手術や中絶を強要せざるを得なかった村の人の発言
「可愛そうとは思ったけど、私達は国家のための仕事をしたんだ」というのが、
「タージマハルの衛兵」という芝居で2万人の手を切り落としたことを「俺が殺したも同然」と悲観する相棒にフマユーンが言う「俺たちは仕事をしただけだ。忠実に仕事をしたんだ」と言うのと同じだと思った。
中国の一人っ子政策も、組織?国?に飲み込まれて末端の人々が身体の奥底に苦悩を抱き続ける、死ぬまで。

政府の政策とか、養子に出された子たちがどうなるこうなる、というより、そこが一番刺さったかも。
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