木野エルゴ

マリッジ・ストーリーの木野エルゴのネタバレレビュー・内容・結末

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

たとえお互いに好意を持っていても、その時最も重要にしている事が違えば、関係性は崩壊する。まして裁判沙汰ともなるとお互い引けないところまで傷つけ合うことになる。自分が不当に扱われていると思うと、相手を徹底的に攻撃しなければ気が治らなくなる。相手を不当に扱ってもそれを正当化してしまう。

関係性が悪化した時に一番気をつけなければならないのがここだったりする。「被害を受けたからといって、自分が加害していいことにはならない」しかし悲しいかなお互いに負けず嫌い。売り言葉に買い言葉が暴走する。弁護士同士の代理戦争的罵り合いも事態悪化に拍車をかける。

アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンのキャスティングが絶妙。2人とも表に出す感情と内に秘めた思いの演じ分けが上手いので、罵り合いながらも相手を思っている雰囲気がよく出てる。扉を2人で閉めるシーンにはグッと来た。あとニコールの弁護士ノーラ役のローラ・ダーンが良い。聖母マリアの話が最高。

最終的に離婚は成立し、お互い想いが残っているのを感じながらそれぞれの穏やかな生活に戻っていく。元の2人には戻れなくても、結婚した当初の思いは失われないまま。

しかしチャーリー「俺は女をいくらでも抱けたけど、君を愛してたからそれはしなかった」って最低な言い分だぞ。あと子供がいるなら不倫はしちゃダメだろ。
木野エルゴ

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