お互いの好きなところを書き出すようセラピーで宿題が出る。
優しく子煩悩で器用な夫が好きだという妻。
華やかでこざっぱりしていて時に男勝りな面を見せる妻が好きだという夫。
でも実際には
妻は、自分勝手な夫に嫌気がさしていた。
夫は、妻が実はめちゃめちゃ女子で乙女だということに気づけなかった。
好きなところとは真逆の性質でつまずいてしまったふたり。
悪いところが目に付くようになってしまったのか。
それとも毎日一緒にいることでふたりが変わってしまったのか。
相手の好きなところを考える作業は、もはや好きな人を自分の理想の姿に仕立て上げるための暗示なのかもしれない。
「いつも綺麗にご利用くださりありがとうございます」の貼り紙のように、伝えることでさらに効果が出るだろう。
でも、このふたりがセラピーで、もしもお互いの良いところを声に出して発表していたら何か変わってただろうか。
たぶん、結論が変わることはないだろうね。
夫婦って難しいよな。
正解なんてない。
ただひとつだけ分かったのは、のほほんと生きることって大切だってこと。
敏感になるほど苦しいよね。
あぁこんなにも切なくもどかしい気持ちになったのは久しぶり。
2019年75本目
