B5版

マリッジ・ストーリーのB5版のレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
3.8
夫婦や家族は物凄く個人的な関係であると同時に、仕組みに則った社会共同体でもあるという今更の発見。

少しだけ、ライトな思い立ちから現実の所管の手続きが進んでいくことで、当初考えてたより深刻な自体になり、否応無く腹をくくらざるを得ないという…
人間関係という括りで考えれば、何だか覚えがあるリアリティー。
突出した綻びもない夫婦が切欠で着々と拗れていく様子は限りなくドキュメンタリーのよう…

Netflix映画は2本目ですが、このレベルの役者を使ってこの内容で撮れるところがまたハリウッドとは違う裕福みを感じます。
言ってみれば珍しくもない出来事じゃないですか。
それが役者の魅力でこんなにも魅せる一本の映画になる。
スカヨハの長ゼリフの独白とか、後半二人の応酬の慄く位の罵り合い、2人とも主演賞貰っても良かったよ。

2人の人間が、一つの契約の終わりに向かって己を晒し、ようやく向き合えるまで。
終わって濾される前の純な気持ちを分け合えるまで。
本気で愛を交わすという行為に与えられる禍福。
結婚するの、少し怖くなるのに、誰かと愛し合う自分を願いたくなる不思議な映画。
B5版

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