Kenta

マリッジ・ストーリーのKentaのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.3
離婚調停によって裁判に臨むことになってしまった、一つの家族の物語。財産や親権、夫婦をよく知る第三者などの影響により、だんだんと複雑になっていく。
夫婦役には、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーが。二人の熱い演技が輝く。

舞台監督のチャーリーと、女優のニコール。二人は出会い、結婚をした。子宝にも恵まれ、息子のヘンリーと家族三人でニューヨークで幸せに過ごしていた。
だが、それも過去の話。今では別居中だ。お互いの好きなところ、好きになった理由、出会ったころの幸せ。紙に書き出してみても、ニコールの気持ちは戻ることがない。
そして、大事にせずに話し合いで済ませようとした離婚だが、ニコールが弁護士のノラに会うことで、事態は悪化する。

いろいろと考えさせられる社会派作品。
結婚、出産、そして離婚へ。
離婚調停という、パートナーの嫌な部分が露骨にわかる生々しい場面に着目。お互いにやり直そうともするし、あからさまに嫌うわけでもない。ただ、家族としてはもうやっていけないモヤモヤ。主演の二人の演技が輝いていた。

スカーレット・ヨハンソンがノラに気持ちを暴露するシーン、夫婦の真っ白な部屋で面と向かって話し合うシーン。この二つのシーンはとても印象に残った。本当に離婚をする夫婦のようにも見えてしまうほどの実力派の演技だった。

お互いに傷つけあうつもりは更々ないはずだった。だが、息子をめぐったり、チャーリーの助成金が入っただとかで、金銭にも影響が出てくる。両者ともに、裁判には負けられないため、弁護士にも裁判にもお金をかける。なんとも不毛で残酷な争い。二人の目指す未来のビジョンは全く違う。だからこそ、ここまで悪化してしまった。それに巻き込まれた息子のヘンリーも可哀想なものだ。

ただ、淡々と離婚するまでを追っていく作品ではなく、紙切れ一枚、裁判数回で別れられるほど単純じゃないということを考えさせられる。ましてや、ヘンリーという一人息子がいるがために、切っても切れない関係であるのは確か。手続き上は離婚したが、この先を考えさせられる。そして、それは決して暗いものではないようにも思える。

アカデミー賞にいくつかノミネートされてるだけあり、非常に見応えのある素晴らしい作品だったと思う。助演女優賞を受賞した、ローラ・ダーンの演技はそれこそ、この物語を引き立てていた。