離婚についての作品を観て、こんなに晴れやかな気持ちで映画館を出られるなんて思ってなかった。
さりげなくて、どこにでもある生活の一瞬を切り取ったようなカットがたくさん。
映画を観ているというよりも、家族のビデオを観ているような、心地よい感覚にさせられる。
ランディ・ニューマンのサントラもほんとうに素晴らしく、カーテンの隙間から差し込む優しい朝の光みたいに穏やかで心地よい
時折挟まれる、まだそこには愛があると感じさせるような感傷的なシーンがしんどい。
門を2人で閉めるシーン、涙が溢れて止まらなかった。あの門が閉まらなければ良かったのに!
相手を好きであればあるほど嫌なところは鼻につく。愛と憎しみは簡単にひっくり返る表裏一体のもの。
チャーリーとニコールのアンビバレントな掛け合いが、なんとも歯痒くて、やるせない。
結婚も離婚も、チャーリーとニコールが成長するために、どちらも必要なことだったと感じさせてくれるような希望に溢れたラストだった。
腕の傷が癒えるみたいに、心の傷も時間が癒してくれるもの!
一度心から好きになった人は、たとえ別れても、特別な存在として心の隅にずっと在り続けるんだと思う。
「心に決めたたったひとりの相手と、家庭を築いて生きていく」という結婚の本質について、改めて考えさせられる。それって本当に難しいけど、とても素敵なことだと思う。
誰かを愛するってこういうことだよなあ、結婚したい!