バルバワ

マリッジ・ストーリーのバルバワのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.5
※このレビューは映画とは関係のない私事を書き連ねている非常に読みにくいレビューとなっております、ご了承ください。

はーい、映画を家族に黙って観に行き、それがバレた挙げ句、家に帰ったら誰もいなくて、どうしたらいいかわからなくてとりあえず今作を観てダメな夫通称ダメ夫は自分だけではないと安心したバルバワ改めダメ夫でーす。

いやぁ…泣くぞぉ!

あらすじはニコールとチャーリーは離婚調停中。妻のニコールは実家のあるロサンゼルスで再スタートを切ろうとしているのに対し、夫チャーリーはまたやり直してニューヨークで家族で暮らせると思っていたが…的な話です。グハァ( Ⅲ゜Д゜)・:´;

【蓄積ッ!】
まず、今作を鑑賞し始める前までは映画を観たごときで怒る妻に腹を立てていて 「東出とは違うんだッ!」とダメ夫仲間(←勝手に加入)に八つ当たりなことを考えていました。
しかし、今作を観進めて気づきました…私が悪かったのではないか、と。
主人公夫婦の離婚原因は夫チャーリーの浮気なのですが、それまで妻ニコールに色んなことを我慢させてきたっぽいんですよ。だから蓄積があってからの離婚というトリガーが押されて破綻をきたすワケです。
だから、私のことを言うと映画がきっかけというだけで日常生活で色んなことを蓄積させていたかもしれないという、吐き気を催す後悔と反省の気持ちが押し寄せてきました。

【鉄は熱い内に】
作中、ニコールが弁護士に「彼のことを嫌いになったとかそんな単純な話じゃない」と語ります。そうなんです、この夫婦は観ていると全然普通なんですよ。自分達の息子の為に助け合うし、ハグするし、互いのことを想いあってはいるのです。
じゃあ、何で別れるのか…。
多分、もうどっちが悪いとかのレベルの話ではなくなっているからではないでしょうか。そして、ニコールに関してはチャーリーといても自分らしく生きることができないと思っているのです、これって結構ツラいですよね。夫婦の問題が二極化または単純化できている時にきちんとありのままを話す必要があったのでしょうね…だので私は私で今作を一時停止して「きちんと話したい」とLINE、すると妻からは「そういうの良いから」と即返事がきました。道のりは長そうですぜ。

【見所様々】
離婚が今作の大筋で基本メインですが、それ以外の要素も面白い今作。離婚の書類をチャーリーに渡そうとするニコールの姉とか、ナイフを使った一発芸、空回りハロウィーン等々…めっちゃ笑いました。
特に良かったのが離婚調停の時に弁護士同士が妻と夫の悪口をとんでもない語気でまくし立てるシーンです。多分、自分が相手にイライラしていることを弁護士が代弁していたのですが、当人達はあまりの語気にクールダウンし、他人の弁護士はヒートアップする構図が面白かったです。
「なるほど、作中のように他人を巻き込めば私も妻も落ち着くかもしれない!」と他力本願、迷惑千万なことを思った途端にチャーリーとニコールが壮絶なケンカを始めたではないですか!クッ、やはり自分で解決するしかないのか…!←あたり前田のクラッカー

【誰もが覚えのあるケンカ】
先ほど書いた壮絶なケンカは個人的に今作の白眉です。
最初は平静を装って大人として言葉を交わしていきますが、段々言葉が荒くなりとうとう堰を切ったかのように罵詈雑言の言い合い発展まるで子どものケンカみたいになり、終いには泣きじゃくる…マジでしょうもないですが観てしまうのは役者や演出の力ですね。彼等の夫婦ケンカは犬どころか全世界の人々も喰い入るように観ちゃいましたね。
でも、こういうケンカって誰しも経験があるのではないでしょうか、私に関して言うと妻とはこのようなケンカを何度かしてます。ああ、今回もそういう壮絶なことになるのかな…。

【泣いちまうラストシーン】
個人的にとにかく好きなのはラストシーン。まずこのシーンで流れる音楽が聴き覚えがあってですね、というのも『トイ・ストーリー3』のウッディ達を持ち主のアンディが少女ボニーに渡すシーンで流れる《So Long》という曲に似ているんですよ…後々調べたらどちらの映画もランディ・ニューマンが音楽を担当していて「マジかッ!そりゃ良いに決まってら!」と勝手に納得しました。
何より、このシーンでニコールがチャーリーにある行為をしてあげるのですが、それが非常に良いんですよ。この行為は本当にちょっとした行為なのですが、どうでも良い相手には決してしない愛のある行為でもう涙腺崩壊でした。生涯ベストシーンの一つになりました。

【最後に】
今作のレビューを書いている間に妻は帰ってきました。娘が寝静まった後に夫婦会議が開かれ、私は"映画を観ていたこと"ではなく"嘘を吐いたこと"を謝ったのですが、妻は怒りは収まらず色々まくし立ててきたので、ついつい私も応戦(←逆ギレの極み)…侃々諤々の話し合いの後、なんとか事は収束しました。
我が家に発令された映画禁止法略した禁映法も「事前に鑑賞の申請があれば受諾も有り」と多少ユルくなり、終わってみれば妻の懐広さを改めて感じ入った次第です。
愚にもつかない私事に付き合って読んでくださった皆様、心配や励まし、アドバイスをコメントしていただいた豆晴様、吉田ジャスティスカツヲ様、ユメル様、Yasuyuki Muro様、安部様、ピナコ様本当にありがとうございました!
バルバワ

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