Violet

マリッジ・ストーリーのVioletのネタバレレビュー・内容・結末

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


夫婦の離婚プロセスを苦しくも愛おしく描いた物語。

冒頭から好きだった。
自分を1番よく見ている人は
自分が知らない自分をも知っている。

そこから現実に引き戻されて
2人は離婚までの道のりを
着々と進んでいく。

ニコールが弁護士を雇ったことで
温和な離婚は叶わず、
本人たちの思いとは裏腹に
離婚はどんどん泥沼化していくのだ。

ニコールの弁護士のノラが、
ヘンリーと会う回数を
ニコール:チャーリー=55:45
にしたシーンがある。
ここでニコールは"平等でよかったのに"と言ったけど
ノラが"イコールで終わるのはシャクだった"と言ったときに
離婚裁判は弁護士にとっては
勝つか負けるかのどっちかなんだと思った。
本人たちの気持ちではなく。

アダムドライバーとスカーレットヨンハンの長回し口論のシーンは見ていて苦しすぎて涙が出てきた。
感情を激しくぶつけ合って、結果的に思ってもないようなことまで口走ってしまう。
伝えても伝えても伝わらないもどかしさ。

最後のシーンに、(冒頭で読まれた)ニコールが書いた"チャーリーのいいところ"が再登場するなんて!

新しい生活でニコールは幸せそうで
これでよかったんだと思ってたところに
ニコールとチャーリーが心を通わせて愛し合っていたことが唐突に思い出される。

"わたしは、チャーリーに会って2秒で恋に落ちた。"

冒頭、離婚調停人の言った通りに
お互いのいいところを読み合っていたら
離婚という選択にはならなかったのではないか。
離婚を意識してから、だんだんと2人はお互いの嫌なところばかりが目についてきた。
それでも、出会った頃のこと、一緒に笑い合った頃のことを思い出して、ほんの一歩ずつでも相手に譲歩する気持ちがあったのなら。何かが変わっていたのではないか。
そう思わずにはいられなかった。
もちろん、そんなに単純なことではないのかもしれないけど。

(しかもチャーリーは仕事の関係でしばらくLAに住むことになった..もう離婚してしまったのに...)

夫婦であり続けることの難しさと
夫婦であることの幸せを感じた映画。
みんな違う人間で、100%の思い通りにはならない。
相手に対して苛立って、そして離れてしまいたいと思ったときに、
わたしは出会った頃のことを思い出したいと思った。

いくつか感想読んでると、男の人はチャーリーの意見が正しいしニコールは間違ってる!っていう反応が多かったけど、
わたしは断然ニコールの味方で映画観てたから(笑)男女で意見が分かれるのかなって思って、それも興味深かった!

個人的にはとっても大好きな映画なんだけど、
ただシーンの切り替わりのフェードアウトがちょっと気になってしまったのと(観客が何にも感じずシーンを切り替えてる監督はほんとにすこいとおもった!)、
ヘンリーが2週間ごとにパパとママの間を行き来することがわたしには不憫に思えたので、4はつけられなかった😂
Violet

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