[俳優に対する愛がなさすぎでは] 40点
全く合わなかった『ノンフィクション』(断じて冬時間のパリとは呼ばない)が初アサイヤスだったので、どうせそんなもんだろうとテンションは地を這うよりも低かった。そのせいでそこまで悪くは思わなかった。それでも、WASPネットワークについて調べていって、面白そうなエピソードを全部突っ込んだら底が抜けたという感じの映画だし、物語ることに執着しすぎて折角のアンサンブルが置物になっているのは否めない。演技というものがどうでもいいかのように答え合わせをナレーションで済ませる割に、長編映画にするためなのか前半のどうでもいいエピソード(結婚式とか)を引っ張りまくるのもどうかと思う。アナ・デ・アルマスで救われたような映画なのに、彼女が一番いらない役をやっているという皮肉は最高に面白いが笑えない。
『Ema』で今年の私的最優秀俳優レースを独走中のガエル・ガルシア・ベルナルも合計5分くらいの扱いだが、彼を拝めたことも感謝せねば。でも、正直駄作の域は出ない。ラミレスの頭越しにカメラを横に移動させるシーンが二回あったのがなんか印象に残ってる。