決して嫌いじゃない!
だけどあともう一噛み欲しかったというのが正直なところ!
やや脚色しすぎじゃない?ってくらい写楽や歌麿のキャラをがんがん出して、北斎と対比させる構造はとてもわくわくしたし、何を持って北斎が北斎たらしめるのか、その過程にハマっていく様は仕組まれたゾーンのようでとても面白かった。
その一方、晩年の北斎は田中泯の演技こそ至高であるが、ややテンポの良さに欠けるというか、「波」の迫力に呼応した地響きのような映像をもっと欲してしまう自分がいた。
しかし柳楽優弥と田中泯の目の演技には感動。彼らの静かだか覇気のある瞳は唯一無二。作品全体ももっといい意味でうるさく、激しいものだったら大傑作と言えたかもしれない。