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バウハウス 原形と神話のmingoのレビュー・感想・評価

バウハウス 原形と神話(2009年製作の映画)
3.6
オスカーシュレンマーのTシャツ着て意気込んで観に行った。グロピウスは革命の機運が急激に退潮していく中社会主義のユートピア実現の夢を断念したがその代わりにバウハウスという学校に火種を持ち込み芸術の世界に新たな火を灯した。元学生たちの肉声は学校の革命的な雰囲気を生き生きと伝えるだけでなく、今なお影響は現在まで続いているのだと確信づける。しかしその芸術的革命理論は右翼からはロシア革命を想起させる文化ボリシェヴィズムだという非難が絶えなく、新天地デッサウに移転せざるを得なくなるがマイスターハウスやテルテン居住区などの建築活動が最盛期を迎える。そこでグロピウスの跡を継いだ二代目ハンネスマイヤーは教育内容を充実させるが、32年ナチスが多数派となったデッサウ市議会でバウハウスの閉鎖が決定。と成り立ちと歴史的展開を具体的な事例と証言を重ねて浮き彫りにしてくれるので勉強にはもってこいの一本。
そしてグロピウスが新天地で実現した巨大な建築物は地域的な人間の繋がりが希薄になり、新建築の理論が暴走した結果、非人間的な都市空間が生まれたというモダニズムの歪みについての真実は大変興味深かった側面である。栄光と挫折があるからこそ神話がより神話として強調されてしまうのだろう
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