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ハニーボーイのasukaのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
4.3
Fan's Voiceさんのオンライン試写会にて鑑賞。


幼い頃から、親の愛を充分に受けずに育った父親。
そんな父親は子を愛しているとはいえ、やはり上手く愛すことができない方が多いのだろう。
だから子役として活躍をし、お金を稼ぐオーティスに対して嫉妬してしまうし、ジェームズは親としてのプライドを踏みにじられてしまうのだと思う。

私の目から見れば、それって虐待でしょ?と思ってしまう部分もあった。
親の姿を見て育つ子どもは、その行動を当然のこととして捉えたり受け入れたりもすると思う。
それでも控えめに言っても、クソなジェームズを愛す幼い頃のオーティスの姿に胸が熱くなった。

また『親父が唯一くれた価値あるものは痛み』という言葉がぐさっと突き刺さった。
痛みを知っているからこそ、人の痛みに敏感になれたり優しくできる…っていうのは理想論なのかな。

この作品は、シャイア・ラブーフの自伝に基づくものとなっている。
シャイア・ラブーフ自身が絶縁状態にあった父親ジェームズ役を演じていること、AAでジェームズ自身のことだけではなく、オーティスについて語る場面は涙が止まらなかった。


作中の光の使われ方がとても美しく、印象的に感じた。
ジェームズとオーティスの2人にしか分からないわだかまりや葛藤。
シャイア・ラブーフの私生活を以前調べて驚いたが、こんな過去があったんだ…と思った。
だからこそ、ラストシーンがまたとても印象的で心をとても揺さぶられた。
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