ざきこー

ハニーボーイのざきこーのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
3.5
【僕が本当に望むもの、それは・・・】

Filmarksのオンライン試写会にて。
すごい時代になったものだなぁとしみじみ感じますね笑
スクリーンじゃない寂しさはあるものの、日本のどこにいても参加できる
というのはありがたいし、それだけ色んな人と共有できるんだなぁと実感。

さて映画の話に戻りますが、本作はなんと言っても主人公のオーティスを
幼少期はワンダー僕の太陽やクワイエット・プレイスで今大注目のノア・シュプ、
10年後の22歳の姿はマンチェスター・バイ・ザ・シー、WAVEなどこちらも最近話題のルーカス・ヘッジズが演じるとあって
それだけでも注目すべき作品と言えますね!

まずこれだけは言っておきたいが、この映画のハイライトは
「ノア・シュプくんの上半身」であると笑
あの若さであの肉体はすごい・・・劇中の演出で確かに筋肉質であるのは
わかるけど、いい体すぎるよあれは・・・笑

そして儚げな表情や大人らしく振る舞う中にある子供らしさみたいな
絶妙な演技に、観ていて思わず胸が苦しくなるばかりでした。

さらに、大人になったオーティスを演じるルーカス・ヘッジズ。
直近で観たWAVESではクソかっこいい青年でしたが、本作では
感情的にも不安定で酒に溺れる精神的に弱いキャラクター。

この後書きますが、あれだけ辛い思いをした父親に知らず知らず影響を受けてたかの如く、悪態を付いたり情緒不安定になったり。

でも少しずつ過去の自分に遡っていくにつれて心が整理されていき、
最終的にはルーカス・ヘッジズとノア・シュプが本当に同一人物なんだ
と錯覚するくらいに思えるほど2人の演技力は実物でした。

まぁでも本作はとにかく父親の暴走っぷりに最初から最後まで振り回されて終わる映画ですね。。
とにかくロクでもない父親。でもそんな父親にもそうなるまでの経緯があり、
人生というのは巡り巡るものなのだなぁと感じずにはいられませんでした。
たまに至極真っ当なことを急に言うので、根は悪い人じゃないんだと思う。
だからこそ信用したくなった分裏切られるショックがでかいというね笑

そして脚本がなんと個人的にはコンスタンティンのイメージがあるシャイア・ラブーフ。
しかも本人がまさにアルコール依存症のリハビリの一環で書いたのが本作だそう。

自叙伝みたいなものだけあって、なんというか生々しさがあったなぁ。。

子役でブレイクした俳優・女優が大人になったらダメになってるというか
すごく大変な目にあってるというのは現実でもよくある話だと思いますが、
まさにその裏側ってこういう苦労があるのかなーなんて思っちゃいます。

全体を通してオーティスの苦労に胸がギューっとなる本作でしたが、
ラストのシーンで少し報われたきもちにはなれたので、人生は巡り巡るけど
やり直せるというか、取り戻せることはできるんだなぁなんて感じました。
ざきこー

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