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ハニーボーイのsのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
3.5
シャイア・ラブーフが幼少期に父親から受けた暴力によるトラウマを回想する自伝的映画。物語は現在のカウンセリングを受けるシーンと、その原因となった過去の回想シーンを行き来する。が、あまり交互に描く意味を成していなかったような

アルコール依存症で暴力的、天才子役である息子の収入に頼り生きる無職の父。その父役を実際にシャイア・ラブーフが演じることで、シャイア自身は過去を見つめ直し、父を許し、当時は気付けなかった父の愛情を知る。
繊細な役柄である息子を演じたノア・ジュプは素晴らしすぎる演技力。モーテルでの閉鎖で鬱々とした生活の中での父親との絶妙なやり取りや煙草をふかす手つきはもちろん、同じモーテル内に住む年上の女の子(まさかのFKA twigsで驚き!)との交流シーンで見せる笑顔や色っぽい演技に、気付いたら惹き込まれてしまっていた。彼女との交流で彼の世界が少しずつ彩られていくところが美しかった。
個人的にはいくら愛情表現が下手だとはいえ親が子供に暴力を振るうのは最低で最悪だと思う。たとえどんな理由があっても子供はいつでも愛され守られるべき存在。なのでここで描かれる父の気持ちは全く持って理解できなかったけれど、 ”シャイア・ラブーフによるシャイア・ラブーフのための自伝的映画” として見ればとてもよく作られた映画だなと思う。少なくとも彼にとっては彼の人生を前へと進める大きな一歩になったはず。

メモ
映画の公式HPはかなり洒落込んだデザインで壮大に作り込まれていたけれど、あまり商業的にすべきではない、かなり詩的でパーソナルな作品だと感じた。
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