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娘は戦場で生まれたのebiflyのレビュー・感想・評価

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)
4.4
観ていて、胸が締めつけられるほどの苦しさ。でも、目を背けてはいけないと思い、必死で観た。正直、想像の何倍もすごい映像だった。

低評価にできるわけもなく、でも正直高い評価にしていいのかにも、疑問が残る。そして、知らない自分を恥じる。

上辺だけを見れば、なぜこんなにも危険な地域に、幼子がいながら留まり続けるのか、一見理解に苦しむ。でもそこには、アレッポでなければいけない理由や、そこにいることが正義だと信じているからだろう。

監督撮影してるワアドさんと、娘のサマがとても美しい。時間軸があちこち飛ぶけど、そこにも迫りくる恐怖をうまく近づけている。ラストシーンの頃には、もはや廃墟。けど、あの結論は負けではない。こうやって世に作品が出せたことは、一つの正義であり、抵抗になったと思うから。

家族の無事を祈るとともに、少しでも早く、こんな争いがなくなってほしいと思った。帝王切開の赤ちゃんのシーンに、魂が震えた。
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