まこと

娘は戦場で生まれたのまことのレビュー・感想・評価

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)
5.0
「あなたをこんな場所に産んでごめんなさい」
聴こえてくるのは子守唄ではなく爆撃音。まだ何もしらないサマちゃんは無邪気に笑い、母アワドは国と家族を想い撮影し、父は20日間で800件のオペをこなす(!)
※日本の大学病院では緊急オペを含めても平均約8000~1万ほど(何人も医師がいて)


「アレッポを出たいと思わない?」
子供「思わない」
「どうして?」
子供「建築家になってこの街を建て直したいんだ」
そんな子供の声が印象的。彼らに、危ないなら街を捨てて出ていけば良いじゃない、と外部から言うのは簡単。でも彼らは祖国を想い、祖国を捨てたくないと心から望む。いま隣で冗談を言っている家族や友人を明日に失うかもしれないけれど。

この子は皆の子よ!
アレッポの人々はそう言ってサマを抱き上げる。食べ物や水道すら満足でない中でも。
マスクやトイレットペーパー、果ては体温計まで売り切れる"美しい"我が国、日本。昨晩、私が帰るときコンビニに入店する際にマスクを見かけたが、私は買わなかった。店内を出る頃にはマスクは無かった。
そんな人たちはこの映画を観てどう思うのかな。
きっと観にもこないし、観ても何も思わないんだろうな。
相田みつをの言葉を教えてあげたいわ。

"奪い合えば足らぬ 分けあえばあまる"
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