洋タルト

娘は戦場で生まれたの洋タルトのネタバレレビュー・内容・結末

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

壮絶過ぎるドキュメンタリー!
観ていて心が締め付けられる!

かなり評判のこの映画。自分の近所でやってないか調べた結果奇跡的に少し遠出すれば行ける範囲に!ありがたい!
そんなこんなでようやく観れました!

観た感想ですが、これは戦争映画や壮絶なドキュメンタリー映画を超えています。全ての光景がリアルであり、現地の人々の叫びも本物です。

今回はこの作品について、「スマホ」「戦場」「サマ」の3つのポイントに注目してレビューしていきたいと思います。

「スマホ」
この作品の映像はワアドさんがアレッポでのデモ運動の最中、スマホのカメラで撮った映像なのですが、これが自分達によりリアルな戦場にいる感覚を与えました。

ワアドさんがスマホで撮影しているということは常に自分達はワアドさんの観てきた光景を共有するということ。
ニュース番組越しに観る映像よりも自分達が戦場にいるという感覚を覚えさせられます。

リアルを伝えるための方法として、自らのカメラを回し続けた彼女の勇気には尊敬しかありません。

「戦場」
これが正真正銘のリアルです。再現VTRやCGなどを使った映像表現はありません。ただただこれがリアルなのです。

アフラーさん達の家族の日常や子供たちと車に色を塗る光景など、「普通に暮らすことが政権への抵抗」として普通に暮らす場面もありながら、爆撃などで重傷を負ったり子供が死んでしまった母親などの悲痛な叫びも込められている。
胸が締め付けられて、涙が溢れてくるのですが、自分のあの涙は号泣というよりも嗚咽だったと思います。それくらい胸が苦しくなりました。

特にラストの方で子供が泣き叫んでいるシーンはもう耐えられませんでした。
こんな状況にあった人々がいたにも関わらず、何もできなかった自分に憤りを感じましたね…。

「サマ」
この子がワアドさんの子供なのですが、この子がワアドさんの意思をより強めます。

「この子が安心して暮らせるアレッポを取り戻す」。そのために彼女は戦っていました。
それにも関わらず、降伏してアレッポを捨てる選択肢しか取れなかった彼女の心境を考えると色々な感情が込み上げてきました。

サマはこれから母が戦ってきた事をこの映像を観て知ることになると思いますが、彼女の勇敢さと故郷がどんな目にあったのかというリアルをしっかりと受け止めて欲しいと思います。

以上がこの作品のポイントでした。
おそらくドキュメンタリー映画の中でもトップクラスに心動かされる映画だったと思います。
この悲惨な光景は誰もが受け止めて、この実情を考えないといけないと思いました。

総合すると、最も戦場のリアルを知ることができる大作でした。罪のない子供達の未来が奪われること、家族を奪われた人間の痛いぐらいの思いなど戦地のリアルを知るのが自分達にできることではないかと感じます。
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