衝撃のドキュメンタリー。
多くの人に観て欲しい。
独裁政権とそれを支持するロシア軍による武力行使に晒されるシリア、アレッポの街。
そこで医師を務める夫と暮らすジャーナリストを志すワアド。
彼女のカメラは、無残にも失われていく命と瓦礫と化していく祖国を収めていく。
目を覆いたくなるような凄惨な光景の連続。
それでも、日々に希望を見出そうとしようとする人々と子供達。
爆撃を受けた妊娠した女性から帝王切開で赤ん坊を救出する映像は一生忘れられないと思う。
「全てをカメラに撮って!」と、子供達を失くした母親は慟哭する。
ワアドがネットにアップした映像は数万人の視聴数がカウントされるものの西側諸国はシリア内戦に介入を控え続ける。
現在のアメリカの抗議運動にですらそうだけれど、「遠い国の出来事」で済ませて、無知無関心でいる事は容易い。
あまりにも脆い日常と暗澹とする未来に、情報をシャットアウトしたり、自身の考えを口にする事を控える人が増えてきている様に思う。
それで果たして良いのだろうか?
命を賭して、ワアドが撮影したこの映像は娘サマへの語り掛けの体裁を取っているけれど、まるで、私たち観客へ問い掛けの様に聴こえてくる。