イチロヲ

Caribbean Papaya(英題)のイチロヲのレビュー・感想・評価

Caribbean Papaya(英題)(1978年製作の映画)
3.5
カリブのリゾート地を訪れた女性ジャーナリストが、原子力発電所の建設事業に抗っている原住民族の存在を知らされる。食人族による反体制運動を描いている、イタリア製のカニバリズム映画。

本作の食人族は、至って普通に洋服を着込み、一般庶民に溶け込んでいるかたちで登場。美しい女頭領パパイアが「魔性の女」となり、引き締まった褐色ボディを露わにしながら、発電所に関わる男たちをトロトロに蕩かしていく。

全体的に、食人族の性観念に翻弄される主人公のセックス劇という印象が強い。ゴア要素に関しては、中盤部に登場する食人族の伝統儀式の場面が最高潮であり、その後は主人公とパパイア双方の性意識に関するドラマへと転調していく。

正直なところゴア描写は不満足だが、変化球を付けた食人族映画としては、これはこれでアリ。女頭領パパイアをラウラ・ジェムサーに置き換えて、偽物エマニエルの一遍として捉えるのも、また一興。
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