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君は愛にふさわしいのakrutmのレビュー・感想・評価

君は愛にふさわしい(2019年製作の映画)
3.2
恋人に裏切られて傷ついた女性の不安的で満たされないな心を、刹那的な行動を通じて描いた、アフシア・エルジ監督・主演の恋愛ドラマ映画。アブデラティフ・ケシシュ監督の『クスクス粒の秘密』で映画デビューしてその演技が注目を集めたアフシア・エルジの監督長編デビュー作であり、すでに今年のカンヌ国際映画祭では、自分の母や全てのシングルマザーへの讃歌である監督2作目『Bonne mère』が上映されている。

『クスクス粒の秘密』のアフシア・エルジがとても印象的で好きだったので、その彼女がどんな映画を撮るのかすごく興味があったが、ちょっと期待はずれだった。失恋したあとの主人公リラの行動がなんだかなあ~という感じ。10代や20代前半の若者ならば許せるし様にもなるが、30歳(年齢が特定できるようなシーンはないが、アフシア・エルジはそのくらいの年齢)にもなってこれじゃあイタイタしいだけ。まあでも、監督はそういう女性を描きたかったのだろうし、そういう意味では映画としては成功しているのかもしれない。

アフシア・エルジはもっと太ったほうが数倍も魅力的になる。『クスクス粒の秘密』では役のために(女性のふくよかさを表現するベリーダンスを披露する重要なシーンがある)体重を増やしていたが、その彼女がすごく素敵だった。本作での彼女がありのままの体形なのだろうし、映画の内容からして意図的にそう見せていたところもあるだろうから、仕方ないが、これもがっかりポイントである。

それでも、映画のタイトルの由来が明らかになる、写真家を志望する若い男性とのシーンは良かった。この若い男性を演じたアンソニー・バホンと元カレ役のジェレミー・ラユルト(どこかで見たことのある俳優だと思っていたら、大好きな映画『アデル、ブルーは熱い色』に出てたっけ)はイケメンだが、その他の男たちがみんな気色悪いのも見どころかも。また、日常生活の中で普通に呪術師が出てきて、元カレに呪いをかけるなんて依頼をするのはなかなか面白かった。
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