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私のちいさなお葬式のタイムのレビュー・感想・評価

私のちいさなお葬式(2017年製作の映画)
3.9
映像が私の好みでした。とてもキレイなロシアの田舎町とロシアの文化も少しみられて良かったし、ストーリーも私は好きで、考えさせられる作品でもありました。

老いや終活をテーマにした作品は最近、各国にありますが、この映画は又、ちょっとアングルが違い、更に人間の心の複雑さが描かれていて、考えさせられました。エレーナはきっと、経済的にも、社会的にも都会で成功している息子に誇りを感じながら、一緒に過ごして語り合う時間がない事への寂しさを感じていながら息子を責めない。成功した息子に頻繁に会いたいのに、それが無理だという切なさが痛いほど感じられました。

人間は何を望んで生きるべきなのだろうかと考えさせられました。息子は息子で成功しているのに、あまり幸せではないようで、後半に彼の本当の笑顔を見る事ができたような感じでした。

主人公のエレーナはチャーミングで、キュート。何でも一人でやってしまう真面目なキャラクターには共感しましたし、ご近所のおばさん達もキュート!ただエレーナの違う、もう一つの一面が息子の昔の彼女の言葉で確認し、残念でしたが、こういう母親の一面はけして珍しくないのでは?息子の幸せを願っての事なのでしょうが…。それが、果たして正しいのか?普通に食べるのに困らなく、健康で、そこそこお金に不自由せず、支え合える仲間や家族がいれば良いのでは?なぜ、それ以上を多くの人が求めてしまうのか…。

ラストは想像していたのと違い、その後が気になりました。

団塊世代や高齢者向きの映画かと思ってましたがアラサーやアラフォーにも考えさせられる作品だと思います。

1年の最後に観た映画としてだけでなく、印象に残る作品でした。
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