ワイカ

ラスト・クリスマスのワイカのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

 ロンドンに住むガサツでだらしない女子が、ちょっと不思議な男子に出会って、自分を見つめ直すありがちなラブコメと思いきや、実は…みたいな物語。

 それなりに笑いのセンスは良いんだけど、少しだらだらした展開が続き、なんだろなーと思って見てたら、終盤にガーンときて、不覚にも泣かされるという、そんな映画でした。

 どっかで見たことある意外なオチは、それまでの話があんまりそれを思わせなかったので、ギリギリまで気づけなかったです。ワム!のヒット曲に絡めたベタなタイトルは、こういうことだったのねという回収感もありました。物語の真相と最後のラストクリスマスの歌詞を重ね合わせると、けっこうジーンと来ます。

 ただ、真相が明らかになるシーンは、主人公がその結論に考えが行き着くまでの思考がかなり省かれてる気がして、ちょっと強引に感じました。そこは一番大事な部分なんだから、もう少し丁寧に描いた方が良かったんでは。

 旧ユーゴスラビア出身というバックグラウンドや、家族の話も、オチを考えるとあまり必要なかった気が。Brexitや移民の話、クリスマス商品店のオーナーの話も、取ってつけたようで必然性がなく、全編に流れるワムの曲を含め、単に意外なオチから目を逸らすだけに使われてた感じ。後から考えたら、1時間半は無駄なものを見せられた気分になりました。オチに向けた伏線をもっとしっかり描いた方が、話にまとまりが出たんじゃないでしょうか。

 悪くはないけど、脚本があと一歩な作品でした。こういうファンタジックなラブコメは、リチャード・カーティスの方がもっとうまくまとめられた気がします。

 

 エミリア・クラークって、20代半ばくらいかと思ってたらけっこういいお年なんですね。西洋人はすごいなぁ。エマ・トンプソンの東欧なまりの英語はうまかった。
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