「チャニング・テイタム、
ジャスティン・ティンバーレイク、ロバート・パティンソン。
みんなディック・ロング役を断ったよ」
-ダニエル・シャイナート
ダニエル・ラドクリフのおならで海を渡るという異色の作品、「スイス・アーミー・マン」に関わったダニエル・シャイナート監督がまたしてもおかしな作品をつくった。
タイトルからしてぶっ飛んでいるが、作風はコーエン兄弟の「ファーゴ」に似ている。
そのため、パッケージのような明るさはなくブラック・コメディであるため想像と違うと感じる人も多いだろう。
が、「スイス・アーミー・マン」でもそうだったが、おかしな話を現実と上手くリンクさせるのが上手く、娘や妻と話を絡ませることで男の哀れさが際立ち単純にバカな男たちの話に終わらせないようになっている。
そのあたりはA24制作の色も強くでているだろう。
ただ、8年間に渡ってディックがロングしていたのが、あまりに同情出来ないポイントであり、
これが一日の話であれば物語は大きく違った結末を迎えることが出来たはずだ。
そのせいで、救いのない話になってしまい、監督の伝えたいことが何なのかわからなくなっている。
あえて言えば、ディックがロングすぎるのもいけないってことだろうか。