【死に対する感情のヒダが増える作品】
死にかけた経験がある。事故ではなく病気で。死までのメモリを10とすると、8.5くらいまで逝きかけた。
なので、タイトル初見時、『痛くない死に方』は無いだろう、死ぬ前は誰でも痛みは伴うだろう、と思っていた。
[死ぬ前]は、生き物なので、痛みは必ず来ると思う。
しかし、映画を見終わった後、それを通り越した[死ぬ直前]は、死に方によっては、植物が枯れていくような、すぅ〜と消えゆくような、『痛くない死に方』が出来るかもしれない、と思った。
メモリ8.5ー自分の場合は、だんだん痛みが薄くなって意識が混濁し、どんどん周りが遠くなる感覚におそわれた。『枯れていく』感じって、こんなのかなって、今は思っている。
この作品は、家族の死と云う目線での見方もあるが、自分は自らの死に方(=生き様)と云う目線で堪能した。
『死』に対する感情のヒダが増えるオススメの作品です。