ショウジ

誰がハマーショルドを殺したかのショウジのレビュー・感想・評価

3.7
ハマーショルド暗殺の謎を解き明かそうとしたら、サイマー(南アフリカ海洋研究所)の存在に辿り着き、「予防接種に見せかけてエイズに感染させていた」っていう説に行き着くのがゾッとした。人間はいくらでも残酷なことを出来る生き物だと私は思っているから、本当にやってたんじゃないか、あるいはそれ以上に酷いこともしていたんじゃないかと思った。

監督がマクスウェルに扮したり、黒人女性秘書を2人雇ってタイピングさせることで、わざとドキュメンタリー感を薄めて身の危険を回避している感じがまたリアル…『THE MOLE』もそうだけどつくづく証言者がその後大丈夫なのか不安になるドキュメンタリー撮る監督だなあ…

他のユーザーの感想・評価

劇場公開時鑑賞しましたがDVDにて再鑑賞再レビュー。
“ひょうたんから駒”というか、“嘘から出た真”というか、“藪をつついて蛇を出す”というか…
1961年に起きた国連事務総長ダグ・ハマーショルド氏の事故死をテーマにしたドキュメンタリー。…だったはずなのに、俄かには信じ難い事柄が次々と明らかとなっていく。
監督はマッツ・ブリュガー。一般市民をヨーロッパで北朝鮮を支援する組織に潜入させ、架空の武器取引を持ちかけたりして、彼の国の国際的な闇取引(武器密輸)ネットワークの恐るべき実態を明らかにした怪作「THE MOLE」を手がけた人物。それだけでもある程度のヤバさは伝わるかもしれないが「THE MOLE」より前に製作された今作は、それ以上にぶっ飛んだヤバさを放っている。
長年この事件を調査してきた人物と、現地に飛んだりして新たな証拠を探っていくのだが、事件の裏に謎の秘密組織が見え隠れし、その組織による、とんでもない陰謀の存在が明らかとなる。
今作は、監督であるマッツ・ブリュガー自身が、黒人女性の秘書を雇って彼女達に口述しタイプライターで記録する、というトリッキーな形式で進んでいく。コレは語られる内容があまりに現実離れしているため、敢えてメタ的な要素、シャレを入れていかないと誰にも相手にされない畏れがあったからではないか?と推測される。実際、作中でも秘書のお姉さんに「話が逸れてませんか?」とツッコミを入れられたりもしている。何故、確たる物的証拠もないまま、かつてその秘密組織に所属していた人物の証言を信用できるのか…等、ツッコミどころは満載だが、その語られる内容には本当に驚愕させられるので、まるでヨーロッパ系の陰謀論ミステリーを読んでいるように、ずっと見れてしまう。
WWⅡ後、1950年代後半から1960年代にかけて民族自決の機運が高まり、多くのアフリカ諸国の独立がなされた時代。その頃の所謂支配者層の人達の本音、闇が垣間見える。
以前の劇場鑑賞後、どうしても今作を再び見たくなって今回DVDを入手したのだが、パッケージをよく見たら発売元があの“アルバトロス”である事が判明して、なんか妙な香ばしさを感じた(苦笑)。
haiye

haiyeの感想・評価

2.9
若い頃の純粋な俺だったらもっと楽しめたのだろうか。開始5分であっ。と思ってしまった。気のせいかな。いや、たとえそうだとしても製作者の意図とか考えて楽しもうよ、と思ったが無理でした。もっと虚心坦懐に映画と向き合わなければ。
Blue

Blueの感想・評価

4.1
これは本当に衝撃的な作品でした。見終わった後にソファに深く沈みこんでしばらく動けなかったです。

映画的演出が入るから真っ向からドキュメンタリー作品と言うのは違和感があるけど、かなり複雑な話で取材したストーリーをタイプライターを打つ秘書に向かって話す演出でわかりやすい展開になっています。

国連事務総長のハマーショルドが墜落事故で亡くなり、それが誰かに殺されたのではないか、というところから始まります。どんどん真相に迫っていくけどやがて手詰まりになり、しかし自体は思わぬ方向に転がっていく。
その思わぬ方向に転がっていく真相があまりに受け入れ難い現実でした。
そしてその現実/真相を話せば話すほど、タイプライターを打つ黒人女性に話す演出に違和感と怒りを感じる。

アフリカ大陸そのものはヨーロッパにいいようにあしらわれ、ダイヤモンド、鉱物だけでなく、ジャングルを焼き払い、人も動物も見せ物として奴隷として連れていかれて、挙げ句にもしこの現実が事実ならば俺が秘書の立場ならパニックになってると思います。自分のルーツと故郷の大地を散々搾取し続けること300年近く、文化も生物も失われて挙句に信じられない現実を突きつけられる。

監督は意図して黒人女性に語りかけ、その様子をまじまじと見てカメラで映すのは明らかに白人が搾取する側としての演出なのだけど、極めて作為的な演出と感じました。

それもこれも全て最初で語る事が全てだと思います。

事の真相が全てわかるならこんな演出や笑えるシーンも含めてやろうなんて思ってないんだ、というのは監督の本音でしょう。わかっちゃいるんだが、どうなんだろうか。
ここまで取材してかなり近いところまでいった手腕は評価するけど、でも愚か者である事ははっきり言っておきたい気分になりました。

スコアがつけづらいけど、多くの人に見てもらいたいから高評価にしておきます。
ぜひ見て欲しい作品です。
登場人物が多くわかりづらい上に退屈なんだけど内容が衝撃的で目が離せない。
監督が今回のキーパーソンの格好をして黒人のタイピストに話をしていく構成が、観終わって考えてみたら悪趣味でたまらない。真実が明らかになるにつれてのタイピストの表情がなんとも言えぬ。
そもそもハマーショルドって誰?って思いながら見始めたのだが、話が進んでいくうちに目が話せなくなってしまいまして...

何処までがノンフィクションで何処までがフィクションなのか分からないけど、仮にこれが全て事実だとしたら、なんて恐ろしい事なのかと。ホラー映画の題材にも使えそうな陰謀だわ。

実際、この時代、暗殺も世界のあちこちで起こっていたし、KKKの様な集団もいただろうし、現代と違って情報量も圧倒的に少ない中でコツコツ探した事実から推測すると、まんざら嘘でも無いのでは無いかと思ってしまった。
意外な展開で驚いた。
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