わるた

誰がハマーショルドを殺したかのわるたのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

オンライン試写会にて鑑賞。
大国の利権に真正面から挑み、
そのさなかに飛行機事故で亡くなった国連事務総長。
当時からささやかれていた暗殺説は、
陰謀の痕跡を残す状況証拠の数々により
大まかな全貌が明らかになる。
邦題の疑問は回収。

一方で、調査の途中で一端を表した謎の秘密組織から
思いがけない方向へ謎が転がっていき、
荒唐無稽さすら漂う陰謀論が展開されると
どこまで信じてよいのか混乱した。
ドキュメンタリー?フィクション?

事件のことは以前から知っていて、
事故機や生前の姿の写真は見たことがあった。
実際の遺体画像(一部は凄惨なものも)が流れ、知識でなく実際にあったこととして身に迫った。

秘密結社ですら記録や確認のために内部文書を残していて、どこかの政府は…とやや暗い気持ちになった。公文書大事。

実行現場に残された死のカード、スペードのエース。
そんなスパイ映画みたいなことあるの??とか
スコップ2本で3-4メートルも穴を掘るの?重機は?とか
利害の当事者であるアメリカになぜ調査依頼するの??とか
(メーデー民としてはフランスあたりに依頼したい)
突っ込みどころは多々ある。
考えるな、感じるんだ。

虚実のはざまで混乱しそうになるけれど、印象に残ったのは、秘密結社の関係者の誰もが口をつぐむ中、唯一証言に応じた男の「終止符を打つ時だから」という言葉。
たとえ虚構でもいい、この言葉には信じたくなる重みを感じた。
わるた

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