ころころもん

誰がハマーショルドを殺したかのころころもんのレビュー・感想・評価

2.8
監督は日本の小説も読むようでお気に入りは村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』と横山秀夫の『64』らしい。ドキュメンタリー映画であるがとてもサスペンスフルでエンタメ小説が好きなのがわかる。

監督が口頭で語る話の顛末を二人の黒人女性にタイピングさせながら章立てて話をすすめてく構成だったり、「SAIMR(サイマー)」っていう、常に白服を着ている男が組織する謎の団体が出てきたりとフィクション風な要素が独特な雰囲気を出している。

ドキュメンタリー映画では事件を追っていくにつれて「予想もしていなかった方向」に進んでいくものがいくつかあるがこの映画も途中でそういった話のツイストがある。
陰謀論にも必ずその中に社会を反映している限りなく真実味のある側面がかならずある。本当のところは結局わからないけどむしろ素直に受け取る事ができない分考えるきっかけになる映画だった。