大ファンだったイ・ヨンエさん、ひさびさの映画出演で、さっそく行ってきた。
驚くべき演出力と編集、役者の見事な演技（ヨンエさん、そして警官役のオヤジ！）。一瞬たりと目が離せなかった。
だが、脚本は大雑把。
児童誘拐・虐待・小児性愛・強制労働……おそらく「あの連中」は、これらの常連なのだと思うが、その描き方が雑で、いったい、どういう連中だったのか。ああいうことを日常的におこなっているのか、いまひとつ、わかりにくい。
結局、犯罪が、社会問題としての深い描写にまで至っていないため、ほとんど『死霊のはらわた』のようなスプラッタ・ホラー一歩手前の映画におわってしまった。
「あの連中」が、現代韓国特有の存在なら、そのことを、国外の観客にもわかるように示すべき（海外版のみの字幕だけでもいい）。
クライマックス～ラストも、わかるような、わからんような、中途半端な構成だった。
そのあたりが、もっとちゃんと描けていたら、『パラサイト』と、いい勝負だったと思う。
