Dick

RedのDickのネタバレレビュー・内容・結末

Red(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

1. 初版2020.03.20

❶相性:良好。

➋プロローグとエピローグが特別の意味を持っている。
★印は、本作で描かれた事実の範囲内での解釈であるが、他の解釈もあると思う。

➌プロローグ。
①深夜の吹雪道を走るトラック。荷物の先に付けられている「赤い布」が風で飛ばされて、公衆電話ボックスの傍に落ちる。
②一人の女が電話している。それは後程、主人公の塔子(夏帆)であることが分かる。
③傍にはステーションワゴンが停まっている。車の外で一人の男がタバコを吸っている。それは後程、塔子を待っている鞍田(妻夫木聡)であることが示される。本作の主要キャラの一人である。
④人っ子一人いない雪の深夜で二人は何をしているのだろうか?これはミステリードラマか? 期待が膨らむ(笑)。
⑤それは、これから追い追い明らかにされるので、もうしばらく見守ることにしよう(笑)。⇒下記❺⑧にリンク。

❹中盤までのあらすじ:
①塔子は、商社マンの夫・真(間宮祥太朗)、幼稚園に通う娘、そして夫の両親と一緒に、郊外の一軒家でに暮らす専業主婦。経済的に恵まれ、生活上の不自由はない。しかし、マザコンの真との愛は冷めかかっていて、同居生活に窮屈さを感じている。
②塔子は、真の仕事関係のパーティに同伴者として参加して、10年前、不倫関係にあった鞍田と再会する。
③塔子の不満の原因を見抜いた鞍田は、自分と同じ事務所で働かないかと勧める。
④塔子は真と義母を説得して、契約社員として働き始める。
⑤塔子と鞍田の関係が復活する。
⑥塔子は仕事に生きがいを感じると同時に、鞍田が進めているモデルハウスに関心を持つ。
⑦塔子の仕事ぶりが認められ正社員となるが、多忙になる。それが原因で、幼稚園で娘が怪我をすると、真と義母は塔子のせいだと責める。塔子の悩みは深まる。
⑧塔子の実母(余貴美子)は塔子に偽りの生活はやめろと忠告する。

❺終盤までのあらすじ:
①鞍田が体調を崩して入院する。その穴埋めのため、塔子と先輩社員・小鷹(柄本佑)が新潟に出張する。
②仕事は順調に終わるが、豪雪で新幹線、飛行機を含む全交通機関が運休となる。
③塔子は真に、帰れなくなったと電話するが、真は、どんな手を使ってでも帰って来いと言い放つ。
④塔子は止める小鷹を振り切って雪道を歩き出す。
⑤その時、鞍田がステーションワゴンで現れる。彼は病気を押し切って塔子のために駆けつけてくれたのだ。
⑥2人で帰る途中、見つけた公衆電話ボックスで、塔子は真に電話する。
★自分のことを心配してくれないばかりか、誰と一緒なのかと問い詰める真に、塔子の堪忍袋の緒が切れる。
⑦絶望した塔子は、電話を切ると、結婚指輪を外して電話機の上に置く。
★塔子は真に見切りをつけたのだ。
⑧車の外では、鞍田がタバコを吸って待っている。通り過ぎたトラックから吹き飛ばされた赤い布が落ちてくる。
そう、これが上記➌のプロローグに重なるのである。
★トラックの赤い布は、危険予防の為の警報である。それが外れたということは、2人が、これまでの柵(しがらみ)から、解放されたことを意味すると思う。
⑨塔子と鞍田は途中、ホテルで休息する。そして愛し合う。鞍田が塔子に言う:「ずっと君が好きだった。」
⑩鞍田の病は回復不可能なところまで進んでいた。

❻エピローグ1:
①火葬場で、喪服に身を包んだ塔子が、鞍田の遺骨を手にしている。
②背後にママ、ママと泣き叫ぶ娘の声が聞こえる。真の姿も見える。
③塔子は、一緒に帰ろうと言う娘を振り切って歩き続ける。

❼エピローグ2:
①塔子と鞍田が、夜明け前の山道をドライブしている。運転しているのは塔子で、鞍田は助手席で眠っている。
②夜が明けて来る。
③鞍田は塔子の肩にもたれかかっている。
④朝日が2人の顔を染める。その色は赤だった。
★夫の真と愛する娘を捨てて、鞍田との思い出を胸に、一人で生きていく決意をした塔子の新たなスタートなのでありました。
映画一巻の終わりでございます。
お楽しみ様でした。

2. 追記2020.05.09

❶評価:
①KINENOTE:70点/100点/186人
②Filmarks:3.4/5.0/1,749人
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