初日朝一の上映にて視聴
だいぶ賛否分かれてますが個人的には大満足!
前作から18年の時を経たこと、
監督が性転換したこと、両親を亡くしたことなどを全て昇華し、
メッセージ性やトーン、アクションも現代版に見事にアップデート・チューニングされていて、
個人的にはどハマりしました。
(アクションに対する批判多いですが、個人的には過去3作のフワフワしたアクションにハマれていなかった…)
冒頭の「こうきたか!?」という展開から、
ファンにはたまらないネタも満載
最後の展開も最高でした
シンエヴァ見て「庵野さん救われて良かったねー」と思ったのと同じ感覚が湧きました。
3部作当時は監督はジェンダーを解放できなくて悩んでいた真っ只中だったと思うので、それを解放して時を得た今だからこそ行き着いたメッセージやトーンだったと思います
過去作見てない方は見てからの方が絶対良いです!
まだ興奮が止まらない。
以下、ネタバレありの考察(つらつらと足していくので乱文です)
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【マトリックスのエネルギー源】
何かを欲する「欲望」と、今の現状を失う「不安」における「葛藤」こそが人間の本質であることを見出し、ネオとトリニティーの距離を絶妙に保つことで葛藤をマトリックスに取り込んだ設計になっている、という設定が見事すぎる
欲望は自己実現的な力の逆効果であり、一方で不安は繋がっていたいという愛の逆効果なので、「世界は力と愛の動的平衡のエネルギーで作られている」というのが自分なりの解釈であり
その世界観が共感しまくりでした
そしてトリニティーが持つ葛藤 「もう遅すぎる」という言葉
これを真の自分と向き合わない言い訳として使うシーンは今の自分の状況に照らして非常に胸に刺さった
今の自分のアイデンティティーの最も基軸となっているものを否定して前に進んでいく強さ
だからこそ最後にネオではなくトリニティーが飛んだ時には本当に心が震えた
【スミスとは?】
「スミスの存在は何のメタファーだろう」と考えたときに、今の社会において非常に重要な示唆に至った
スミスがネオに「お前には誰でもなれる 私は誰にでもなれる」と言い放つシーンがある スミスとしては「ネオは特別な存在ではなく自分こそが特別である」というつもりで勝ち誇ったように言うが監督のメッセージはむしろ逆のように思う
ネオは自分の意思で自分の人生を切り開いた象徴としての存在
その存在には誰でもなれるということは監督からの人類へのエール
誰もが自分の意思で自分の人生を自発的に選択できる存在であることを伝えている
一方でスミスは「誰にでもなれる」=どこまで行っても「模倣」であるということ 模倣能力が高いが故に全て自分の力だと思い込んでしまうが、実は彼自身はオリジナリティを持たない存在であるということ
これは人として自分の人生を生きることの放棄であり、
その土俵に立ったときには人類はAIに勝てないのだ
情報が溢れている現代の中でトレンドを追って模倣をし続けることで、あたかもそれを自分の能力と勘違いしてしまい、なんでもできる気になってしまう。
ただし、そこには自分の人生における経験が担保されていないので、非常に表層的で薄いものである
人として生きるということは自分の意志と選択で自分の人生を生きるということ これこそがネオとスミスとの対比から受け取ったメッセージ
各自が自分の意思で人生を歩み、その経験の中で培った一人一人の経験から生まれた学びこそが人生における最も重要なギフトであること
誰かの模倣をするために我々は生きているわけではない 自分の選択で自分の人生を生きよという人類への賛辞
非常に胸に刺さった
【監督の心境変化】
三部作の最後がネオとトリニティーにとって悲劇的な結末だったので、これはハッピーエンドで終わっていて、とても救われた感じがある。
ふと浮かんだのがシンエヴァンゲリオン。シンエヴァ見て「庵野さん救われて良かったねー」と思ったのと同じ感覚だったかも。
当時はジェンダーを解放できなくて悩んでいた真っ只中だったと思うので、それを解放して時を得た今だからこそのメッセージやトーンに仕上がっていたと思う
【町の名前の変化】
個人的には目覚めた人間の住む町の名前が「ザイオン」から「アイオ」にコードが変わっていたのが熱すぎた。
【ネオの目的の変化】
今までのネオは「マトリックスからの解放」を目的として動いていたが、この作品の最後では「マトリックスを作り替える」という目的に行き着いたところが感慨深い。
マトリックスを批判して現実に解放することに拘るのではなく、マトリックスも内包した上で世界の全体と捉え、そこに人間の幸せを見出す姿勢は、まさに現代版にアップデートされた目的への昇華であるように思う
【日本の影響】
最初にネオがマトリックスに入ったのが日本だったのが嬉しい 列車の中とは 鬼滅の無限列車をイメージしてるのでしょうか
あと最後の方に出てくるボット爆弾
あれはもしかしてハンターハンターの団長対ヒソカ戦にインスピレーション受けてるんじゃないか?と勝手な妄想