鍋山和弥

マトリックス レザレクションズの鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

CGや、特殊技法が、当たり前になった、最近の、ハリウッド映画においては、第一作目の『マトリックス』のような、衝撃は、薄れたように思う。印象としては、ネオが、アングラ映画の、『魔法使い』を思わせるような、印象だ。だが、面白くなかった訳ではない。今作は、今作では、独立した面白さがあった。よくよく考えたら、そうだなって思ったのは、『レボリューション』の終わり。スミスと戦う場面。ネオが、勝っても負けても、ネオの体は、機械軍の、好きにできるなってこと。アーキテクトは、きっと、ネオとの約束を、守ったのだと思う。それに対して、アナリストは、ネオの力を、新マトリックスに、使用し、新しくなったマトリックスを、支配できないか?そう考え、ネオを蘇生させる。そして、ネオに、生きる希望と、ネオの力の維持のためには、トリニティーが、必要と考え、トリニティーも蘇生させる。だが、ネオとトリニティーを、完全に、くっつけると、新マトリックスには、とんでもない、不穏分子になってしまうため、ほどよい距離で、存在させた。こうして、新体制での、マトリックスの、ネオ達への支配は、続いていった・・・・。一方、現実世界では、機械軍は、分裂していた。人間に味方する機械軍、人間を支配しようとする機械軍。戦争は、機械VS機械に、発展していった。人間軍は、人間に、味方する機械軍を、取り込み、『ザイオン』に代わる、新たな拠点、『アイオ』を作り、マトリックス側の機械軍と戦い。『ザイオン』の頃より、平和な暮らしを、していた。でも、それは、やはり、偽りの平和。こうして、マトリックス側の機械軍と、戦うため。そして、ネオは、トリニティーを、取り戻すため。トリニティー救出作戦に出る。その作戦は、サティーの協力により、成功するばかりか、トリニティーが、『救世主』として、覚醒する。こうして、スミスの乱入が、ありながらも、ネオ達は、アナリストとの戦いに、勝利し、マトリックス管理権を奪い、この作品は終わる。この作品で、ネオとトリニティーは、真の幸せを、掴んだと思う。そして、考えさせられるのは、ゲームデザイナーとしての、『アンダーソン』と、マトリックス管理者としての、『ネオ』。何が違うだろうか?どちらも、仮想空間の、管理者だ。自由に世界を、作り替えられる。マトリックスは、『アンダーソン』の時も、ある意味、『ネオ』の望みを、叶えてたとも、言えなくはない。しかし、マトリックス内の、人間達にとっては、大違いだろう。機械に支配されたままでは、マトリックスの安定のため、人間爆弾にされるのだから。やはり、マトリックス側の機械達や、プログラムは、人間の命を、何とも思ってないと、言えるだろう。そういう意味では、『ネオ』達に、マトリックスの管理権が、移って良かっただろう。それにしても、この人の命を、何とも思わないアナリスト。何かに似てないか?そう、利益優先の大企業の上司達だ。いくら、人間でも、人の心を忘れれば、このアナリストと、つまりは、機械と同じと言えないか?人間、人の心を忘れては、いけませんね。
鍋山和弥

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