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A.I.ライジングのfmofmojimoのレビュー・感想・評価

A.I.ライジング(2018年製作の映画)
3.4
宇宙技術が進歩し、人の移動が容易になり各地に人類が移住するようになった2148年。世界は社会主義国家の統治にあり、そのイデオロギーを広めるため、宇宙飛行士のミルーティンは相手役の女型アンドロイドのニマーニケンタウルス座アルファ星へと向かうことになった。家族もなくひとり身のベテランエンジニアのミルーティンは、彼好みにオーダーメイドで作成され、タブレットで行動パターンを指定することのできるニマーニとの関係を楽しんでいたが、やがてニマーニに自我を求めるようになる。ニマーニに搭載されているOSをアンインストールすることで、プログラミングされている行動以外の自我が芽生えるのではないかと考えたミルーティンは、規則外の行動を取る。

宇宙のSFというよりも、AIの話。

アンドロイドは「機械」から「身体」になりうるのか。AIは「プログラム」から「思考」になりうるのか。

私生活で女性とうまくいかなかったミルーティンは、彼女たちの幻影をニマーニに投影していく。十分な経験と知識、能力がありそれを自負している常に余裕のある強気な態度でいたミルーティンの「願望」や「弱い」内面がさらけ出される。自分も「誰か」を作る存在になりたかったという、切実な想い。

ほとんどのシーンが宇宙船内で、ところどころグラフィック的な映像が流れるところも、どこか不思議な、ざわざわした気持ちになる。
ストーリーを想像して見ると裏切られるかも知れないし性描写が多くて人には薦めづらいけど、あまりない描かれ方で面白い。
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