ぬーたん

マザーレス・ブルックリンのぬーたんのレビュー・感想・評価

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)
3.2
1996年『真実の行方』で出会ったエドワード・ノートンはまだ20代でスクリーンデビュー作で、なのにあの怪演でリチャード・ギアが霞んで見えた、驚きの俳優だ。だから彼の演技を沢山観たいと思う。それがめっきり観れなくなったからどうしたのかと思ったら、この原作に惚れ込み主演だけでなく、脚本・監督までするという。2014年に企画がスタートしてからは彼は他の映画には殆ど出なくなった。そしてこの作品、死者が出たりトラブルもあり公開まで5年もかかった。原作の舞台は1999年だが、エドノーはこれを1950年代に変え、ハードボイルドを意識した。街の雰囲気、クラシックカー、音楽(ジャズ)、服装、全てが70年前らしい古びた感じでノワールのストーリーにマッチしている。カメラや小道具もお洒落、ジャズは流れる音楽のみならず、ジャズの演奏を結構尺を取って見せる聴かせる。そして何と言っても俳優がいい。
エドノー演じるライオネルはトゥレット症候群。その言動は変わってるが、特徴として記憶力が優れているため重宝されている。でもこの彼の才能があまり生かされていないのは物足りなかった。変わった行動の方ばかり印象に残る。IF、イフ、畏怖!でもこういう役はエドノーが得意とするところ。実に自然に演じる。
オッサン俳優ビッグ3!先ずはハゲの代表ブルース・ウィルス。出番少ないなあ。お次は変人代表ウィレム・デフォー。立っているだけで怖い。最後はカオデカ代表アレック・ボールドウィン。え?この2人が兄弟?有り得ん。顔の大きさ、背丈、肉付き、顔、全然似てないし。まあいいか。
次は『ボードウォーク~』のヤバい2人。ボビー・カナヴェイル。いかにも胡散臭い顔。次はマイケル・ケネス・ウィリアムズ。顔に入ってる大きな傷は本物!25歳の誕生日に路上で襲われた時のもの。この傷で箔が付き悪役として売れたんだから、不運が幸運に。元ダンサーだが今作ではトランペッター。
美しい黒人女性はググ・バサ・ロー。スタイル良し、何を着てもお洒落。可愛い顔。活動家の年配女性はチェリー・ジョーンズ。『24』でジャック・バウアーと絡むアメリカ初の女性大統領役でお馴染み。カオデカ女優部門。
さて、とてもお洒落で心地良い映画なのは分かる。しかし、冗長で退屈だった。144分を取るほどの内容だろうか?眠くなり1時間ほどでオヤツタイム!今日は秋も終わりの栗のフィナンシェとミルクティーで。そこからの後半、盛り上がるのかと期待したが、淡々とそして分かりにくく、そして大した衝撃もなく、エンド!サスペンス的にもお粗末。最初から気が付くでしょ、それ。という残念なことも。ハゲ隠しにハット被ってたんじゃないんよ、ブルウィは!あ、でもペンシルベニア駅がカッコいい!いつか行ってみたい!
お洒落でカッコいい画や雰囲気に、ジャケや音楽も凝って、カメラや俳優も良く、ああそれなのにそれなのに!私はエドノーは俳優だけで行くべきだとそれが彼の天職だと、そう思うよ。監督をやりたいのは分かるけど、そんなのはジョージ・クルーニーだけでいいよ。俳優として天才だから、怪演をたくさん観たい、そう思うのでした。栗は旬。小栗旬。エドノーの旬は今だ!他の映画に出て欲しい、美味しい旬のうちに!
ぬーたん

ぬーたん