紅梅シュプレヒコール

マザーレス・ブルックリンの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)
3.8
主演、脚本、監督をエドワード・ノートン自らが担当し制作された今作は「ブラック・ダリア」「LAコンフィデンシャル」を彷彿とさせるフィルム・ノワール作品です

ここまで真っ直ぐで、ノワール特有の大人な雰囲気を感じさせてくれる作品は久しぶりだったので楽しんで観れました

今作が特殊なのは主人公がチック症を抱えているという設定付けであり、それが従来のハードボイルドでクールな探偵像とは異なるキャラクターを誕生させ、しっかりと上手く物語の中で彼のもつ特殊さが機能しており、障がい持ちの主人公とスラム撤去計画によって苦しめられている黒人が社会的弱者として共鳴し合う展開や境遇の点で分かり合うことができるローラとの関係性など今主人公だからこそ嫌味にならない演出が可能となっています

役者陣も素晴らしく、キャラクターの存在感に説得力を与えてくれるのでスッと物語に入り込むことができました

鑑賞後の後味もスッキリとした見応えのある良作です