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マザーレス・ブルックリンのyossieのレビュー・感想・評価

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)
3.8
エドワード・ノートン、なかなか凄い作品になった。

育ての親であり探偵事務所のボスであるフランク。チック症候群という病気のあるライオネル、通称ブルックリンにとって彼の才能を必要としてたとはいえ、フランクは親のような存在であった。
ある密会の後、フランクはブルックリンに謎の言葉を残す。ブルックリンはフランクを殺した犯人を見つけ出そうとフランクが誰にも言わずにこっそりと調べていたことを追い始める。

ニューヨークに佇む景色は決して明るくない。
そこに渦巻いている様々な問題が市内を覆い尽くしてることの象徴のようだ。
でもチック症候群の独特の症状が時折笑いをもたらすのでそれほど重く感じない。

冒頭のシーンでブルックリンの病気の様子が見て取れるが、これでどう事件を解決するつもりなんだろうと思った。
どちらかと言うと補助的役割しか出来ないのでは?と思ったくらいだ。
しかしそんな意に反して、彼はどんどん手がかりを追っていく。
原作を読んではいないが、やはり同じようにフランクに拾われた他の探偵はなんで動こうとしてないんだろう。そこだけが疑問だった。

ストーリーは市の役人の腐敗を描いていて(さらに奥があるが)テーマとして社会的。それを追っていく様はなんとなくハードボイルド的。
最初時折眠くなったが、ストーリー全体の構成はなかなかのもので、エドワード・ノートンの技量に感服した。

冒頭でフランクは殺されるが、その存在感が最後まで作品を引っ張る形になっていてとても味のある作品だったと思う。
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