郵便配達は一度もベルは鳴らしません
フィルムノワール特集2作目ということで、マルタの鷹を皮切りに見始めた今作。
まず原作小説があって、その後4度の実写映画化という何が何だかよく分からないコンテンツ。
案の定、いわゆるフィルムノワールに分類される期間のハリウッド映画ではなく間違えてイタリア映画のこれを見てしまったわけですが。
監督はルキノヴィスコンティという、イタリア人の非常に有名なおっさん。
肩書きがガチ伯爵のガチ貴族やっただけでなく、当時のイタリアにおいての映画運動に関わっていたりと、とっつきにくそうなことこの上ないプロフィール。
他では唯一、ベニスに死すは見たことあるけど、芸術味が深すぎて、オォンっていうニャンちゅうみたいな反応で返すのが精一杯やった。
それと比べると、シンプルな筋書きで、犯行に至るまでの不穏な心の動きとか、その後の、やってはみたものの展開も居心地が悪くて面白い。
ちなみに、ある意味最大のネタバレとして、郵便配達は出てこないしベルは鳴らさない。
悪い美女と男臭い主人公と後味悪いラストという、フィルムノワールの共通要素も確認できたし、ハリウッド版未見やけど、いいよもう。