はる

ワンダーウォール 劇場版のはるのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

いくら抗議しても聞く耳も持たず、挙句訴訟で強行手段に。担当者がいないとか適当な嘘で回避されるくらいならいっそ本当の意図を言ってくれたほうがどれだけマシか。
壁の向こうに窓口のおばちゃんがいて、いつもいない担当者がいて、学生部長がいて、その先に国がいる。いくつもの見えない壁で阻まれて、弱者はラスボスにすら辿りつけない。対等に話し合いたいだけなのに。学生側の主張が正しいとか、大学側が正しいとか、そういうのとはもはや違う土俵で虚しい戦いになっていて悲しかった。

成海璃子が劇中で言った言葉が印象的で。経済主義が正しければ、今こんなにも自殺者がいる日本の状況ってなんなんだろう。生産性がなくても、自由に生きることを許される場所があることって大事なんじゃないかなというニュアンスのことを言っていた。
あの場所がなくなるということは、自分たちの生き方そのものを全否定されることと同義だったんだな、とその言葉を聞いて思った。こんなことに一生懸命になれるって、青春だよね、とか青春という一言で簡単に結論づけたくないなと思った。
はる

はる