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ザ・レポートのwoosのレビュー・感想・評価

ザ・レポート(2019年製作の映画)
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Amazonプライム・ビデオにて字幕版を鑑賞。
テーマ「権力の不正、腐敗」

[全体として]
この手の映画を観てるといつも思うが、絶対今の日本では作られない類の映画なんだろうなと思う。(テレビとか雑誌、書籍等のジャーナリストで頑張ってる人はいるけど。)
お話は9.11テロ後にCIAが行った「拷問」に関する調査をアメリカ上院議員の命を受けたアダム・ドライバーが演じる元FBIの議員スタッフが行ったところ、いろんな「不都合」が判明し、いろんな「イザコザ」が起きたという実話ベースの話。
この映画を観る前に観ておくといい映画として「ゼロ・ダーク・サーティ」「バイス」「スノーデン」あたり。ドラマとして「24」あたりを観ておくと立体的に観れていいんじゃないかと思う。実際本作を観ながらそれらの映画を連想しているとセリフとして出て来たり、予告編が流れたりするので、オススメ。

[良かったところ]
確か普通に「ゼロ・ダーク・サーティ」のシーンで拷問するシーンがあったと思うのだが、あれは合法的なものだと思っていた。しかし、完全にシロではないどころか限りなく黒に近いグレーで、やっているCIAは負い目を感じていたんだなとこの映画を観て初めて知った。やっぱダメだったんだな。
いろいろ考えさせられるのは、ジャック・バウワーがやっていることってこれとほぼ同じなんじゃないかと思う。24はヒロイックに描かれているが、時間がないとはいえ全然拷問も厭わないし。まあ犯人である確証が高いという点は有るんだが、手段は同じだしこれはいろいろ考えさせられる。

[気になったところ]
セリフがすげー多いので、集中して観てないと置いていかれる。
あと日本人で2020年現在、33歳ぐらいより以下の世代はある程度9.11テロ後にアメリカが行った政治、政策にかんして知識がないと厳しいかも。
僕は9.11のとき20歳だったので、この近辺の世代以上の世代の人は結構いけると思う。(あと前述した映画を観ておくとある程度いけるかも。)

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改めてアメリカのエンタメ界の懐の深さを感じました。
オススメです。
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